夫が年末調整で配偶者控除を忘れた場合は?確定申告で税金を取り戻した方法
会社から給与をもらわない失業中・育休中は配偶者控除(配偶者特別控除)を受けられることを知っていましたか?
夫の年収にもよりますが、妻の給与年収201万円以下(※失業手当や育児休業給付金を含まず)であれば「配偶者控除」もしくは「配偶者特別控除」の対象です。
夫が会社員の場合、通常は11月~12月の年末調整で配偶者控除の申請をしますが・・・
年末調整で配偶者控除の申請忘れてた…!
そんな方に向けて、こちら3点をご紹介します!
- 配偶者控除(特別控除)の対象は?
- 2020年(令和2年)分の年末調整で申請漏れした我が家の実例
- 確定申告で扶養控除を申請する方法
はじめて確定申告に挑戦したのですが、素人主婦でも問題なく申請できました♪
配偶者控除(配偶者特別控除)の対象となるのは?
まず、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の対象となる配偶者(妻)と世帯主(夫)の年収についてご紹介します。
- 妻の給与収入103万円以下
⇒ 「配偶者控除」
- 妻の給与収入103~201.6万円
⇒ 「配偶者特別控除」
- 夫の給与収入1,120~1,220万円
⇒ 控除される金額が段階的に減る
- 夫の給与収入1,220万円超〜
⇒ 配偶者控除・配偶者特別控除の対象外
配偶者控除(配偶者特別控除)の控除額は、下表のとおりです。
扶養について知りたい方はこちら↓↓
配偶者控除で還付される税金の額は?
配偶者控除(配偶者特別控除)によって、最大38万円控除されます。
所得税の税率は、世帯主(夫)の所得によって異なります。
課税される所得金額 | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円を超え 330万円以下 | 10% |
330万円を超え 695万円以下 | 20% |
695万円を超え 900万円以下 | 23% |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% |
1,800万円以上 | 40% |
4,000万円以上 | 45% |
例:
【夫の所得の税率10%】
控除額38万円×0.1(10%)=3.8万円の還付
【夫の所得の税率20%】
控除額38万円×0.2(20%)=7.6万円の還付
上記表をみれば、おおよそ還付される金額を計算できます!
年末調整ミス発覚はいつ?タイミング別の対処法
夫の会社の年末調整で配偶者控除(配偶者特別控除)の申請を忘れていた!
この年末調整のミスに気付いたタイミングで対処法は異なります。
- 年末調整提出後~翌年1月31日まで(源泉徴収票の発行前)
社内での年末調整のやり直しが可能。
夫の会社の総務に相談する。 - 翌年2月1日~3月15日まで
税務署に確定申告をする。 - 該当年度の確定申告時期終了~5年経過まで
税務署に還付申告(更正請求)をする。
年末調整の翌年2月以降(源泉徴収票発行後)に配偶者控除の申請忘れが分かった場合、自分で税務署に確定申告をしましょう。
我が家の場合は「②確定申告」で対応しましたので、確定申告の方法をお伝えしていきます…!
確定申告をする場合、ふるさと納税のワンストップ特例の適用を受けられません。
すでにワンストップ特例の申請書を提出している場合も無効になるので、ふるさと納税をした方は必ず「配偶者控除(配偶者特別控除)」と「寄付金控除」を一緒に申請しましょう!
配偶者控除の確定申告の期間・期限は?
確定申告の期間は、翌年2月16日~3月15日です。
例:
2021年分の年末調整で配偶者控除の申請忘れ
⇒ 2022年2月16日~3月15日の間に確定申告をする
配偶者控除の確定申告で準備するもの
確定申告で配偶者控除の申請をする場合、必ず必要になるものがこちらです。
- 世帯主(夫)の源泉徴収票
- 妻(配偶者)の源泉徴収票
※完全に妻の収入ゼロの場合は不要 - 世帯主のマイナンバーカード
※マイナンバーカードがない場合はマイナンバー通知カードと身分証明書の写し - 世帯主名義の口座情報がわかるもの
上記4点を準備して、確定申告の申告書作成に臨みましょう!
配偶者控除の確定申告の方法は3つ
確定申告する場合、大きく3つの方法があります。
- マイナンバーカード有り &マイナポータル対応スマホの方
⇒ スマートフォンで確定申告 - スマホ申請はできないがなるべく簡単&スピーディーに申請したい方
⇒パソコンで申告書を作成し、印刷した書面を税務署に提出 - 確定申告が全く分からずに不安な方
⇒ 税務署の確定申告会場で職員さんの指導の下、書類作成~提出まで行う
私は②の方法で申請をしました
①スマートフォンで確定申告する方法
最もお手軽な方法は、スマートフォンアプリ「マイナポータル」を使った確定申告の方法です。
- マイナンバーカードを作成済み
- アプリ「マイナポータルAP」対象スマートフォンを所持(※対象スマホ一覧)
上記2点を満たす方は、スマホでの確定申告が可能です。
この方法だとスマホですべて完結するので、税務署にわざわざ足を運ぶ必要がありません。
スマホでの申告書作成について、具体的な方法はこちらの国税庁の確定申告特集を参考にどうぞ。
②パソコンで申告書作成→印刷書面を提出
私は、こちらのパソコンで作成した申告書を印刷して税務署に提出する方法で確定申告しました。
この方法だと税務署へ行く必要がありますが、すでに申告書は自宅で作成しているので税務署でほとんど待ち時間なく提出可能です。
※郵送でもOKです!
私の場合は、PCでの申告書作成30分、税務署での待ち時間5分で確定申告が完了しました!
申告書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成できます。
「作成開始」で作成スタート。
配偶者控除の申請をする場合は、「所得税」を選択します。
※医療費控除、寄付金控除(ふるさと納税)も同時に申請できます。
「給与所得」の入力するボタンをクリック。
「書面で交付された年末調整済みの源泉徴収票の入力」から、会社から交付された源泉徴収票を見ながら、記載されているとおりに入力していきます。
次に、所得控除の入力へ進みます。
「配偶者控除・配偶者特別控除」の入力するボタンをクリックし、妻の所得等を入力しましょう。
「社会保険料控除」や「医療費控除」についても、この画面から入力できます。
ふるさと納税をした方は、忘れずに「寄付金控除」も入力するように!
特別な収入や支出がない場合は、「次へ」をどんどんクリック。
最後に氏名・住所・提出する税務署等を入力。
入力した数字・内容や還付予定金額に誤りがないかを確認して、申告書のPDFデータを保存。
※私は全6ページのPDFデータとなりました。
こちらのPDFデータを自宅またはコンビニで印刷しましょう。
PDFはカラーデータでしたが、白黒印刷でも特に問題なく提出できました。
「控」のマークがついた申告書も必ず印刷して税務署に持参します。
提出窓口で控え書類に受付印を押して返却してもらえます。
印刷後は、確定申告書の必要部分(印マーク)に押印することを忘れずに。
私の確定申告(配偶者控除、寄付金控除の申請)で必要だった添付書類はこちらです。
- マイナンバーカード表面および裏面の写し
(マイナンバーカードない場合は、番号確認書類と身元確認書類の写し) - ふるさと納税先の市町村からもらった寄付金の受領証
控除申請内容によって、添付必要書類は変わります。
申告書PDFデータ最後のページ「提出書類等のご案内」をご確認ください。
③確定申告会場で指導を受けながら確定申告
「確定申告なんて全く分からない!」
「スマホやパソコンで挑戦してみたけど難しい!」
そんな方は、確定申告期間に臨時で開設される確定申告作成会場を利用しましょう。
税務署の職員さんの指導の下で申告書を作成できるので、初心者に最もやさしい方法です。
しかし、令和2年度の確定申告会場は新型コロナウイルスの感染防止対策のために「入場整理券」が必要となっています。
実際に私が税務署を訪れた際は確定申告会場入場待ちの人が20人ほど並んでおり、確定申告会場に入場するまでが大変そうでした…
なるべく時間をかけずに確定申告を完了させたい方は、「スマホからの電子申請」もしくは「自宅でPCから申請書作成」の方法をオススメします。
夫の確定申告を妻が代わりに提出することは可能?
夫の確定申告のために、妻(配偶者)が代わりに確定申告書を税務署に提出することは可能です。
確定申告に配偶者が代理人として行くことは可能です。
書類を持って行って提出するだけなら他の代理人でも可能ですし、本人確認されることはありません。
ただし、申告する本人が申告書を作成し押印していることが前提です。
確定申告に妻が代理人として行ったらどうなりますか?
実際、今回の確定申告において、妻である私が夫の確定申告書類を持参したのですが、特に本人確認や委任書の提出等は求められませんでした。
確定申告時期が終了していたら還付申告
「もう確定申告の期限を過ぎていた!」
「数年前の年末調整で配偶者控除の申請を忘れていた!」
そんな場合も安心してください。
還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間までOKです。
Q6.給与所得者等で還付申告をしていなかった場合、何年前まで遡って還付申告をすることができますか。
国税庁/確定申告期に多いお問合せ事項Q&A【確定申告・還付申告】
A.確定申告の必要がない方の還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことができます。したがって、これまでに申告をしていなかった場合、平成28年分については、令和3年12月31日まで申告することができます。
同様に、令和2年分については、令和3年1月1日から令和7年12月31日まで申告することができます。
還付申告についても、国税庁の確定申告書等作成コーナーから提出書類を作成できます。
まとめ:年末調整で忘れても大丈夫!確定申告で配偶者控除できます
今回、年末調整で配偶者控除の申請を忘れた方のための確定申告方法についてご紹介しました。
国税庁のマニュアルを参考にしながらであれば初心者主婦でも簡単に申告書類を作成できましたので、安心して確定申告に臨みましょう。
注意点としては、確定申告をすると「ふるさと納税ワンストップ特例」の申請が無効になってしまうことです。
すでにワンストップ特例の申請書を送付した方についても、必ず「配偶者控除」と一緒に「寄付金控除」の申請をしましょう。
基本的には、確定申告から1か月~1か月半程度で還付されることが多いようです。
私は令和3年2月25日に提出して、
無事に3月末に申請した分の還付がされました♪
「失業保険」に関するオススメ記事
- 【受給中の仕事】失業保険を受給中のアルバイト・長期パートはOK?
- 【夫の転勤で退職なら】給付制限なし!特定理由離職者の手続き方法
- 【雇用保険とは?】失業手当や育休手当のメリットあり!
- 【再就職手当】パートでも貰える!支給条件は?扶養内でもOK?
- 【職業訓練】ハローワークの職業訓練で医療事務の資格は難しい?
コメント